・導力革命と導力
導力器(オーブメント)という機械が広く普及している。導力は七耀石から取り出される神秘のエネルギーであり、消費しても時間が経てば自然に充填されるという特性を持つ。導力器はエプスタイン博士が古代遺物(アーティファクト)の研究から発明した。この技術革命は導力革命と呼ばれる歴史の大きな転機となっている。
・世界情勢
ゼムリア大陸西部では、西部に位置するエレボニア帝国とその東隣に位置するカルバード共和国の2大国が覇権を争っている。
・リベール王国
大陸南西部に位置する王国で、北をエレボニア、東をカルバードと隣接する。現在の国家元首はアリシア2世女王。千年以上の歴史を誇り、君主制を布いているが貴族制は約100年前に廃止されている。小国でありながらも豊富な七耀石資源と高い導力器技術、そして女王の巧みな外交によってエレボニア・カルバード両大国とも対等な関係を保っており、緊張感の高い両大国の間に位置する緩衝国として働いている。
七耀暦1202年には、リベールの異変が発生している。
・エレボニア帝国
帝制・貴族制が布かれている。「質実剛健」を重んじる真面目な国風とされるが、一方で貴族階級の腐敗といった社会問題も抱えている。
FCの物語開始前の歴史には南のリベール王国へと侵攻している。現在の国家元首はユーゲント・ライゼ・アルノール皇帝。鉄血宰相と呼ばれるギリアス・オズボーンが宰相として仕切っており、彼の指揮の下、改革がなされている。しかし、オズボーンが進めてきた改革によって既得権益を奪われた貴族達がオズボーンの打倒を画策し、オズボーンが中心となる「改革派」と貴族連合の「貴族派」が国内を二分し、内戦寸前の状態となっていた。
・ハーメル村
エレボニア帝国とリベール王国の国境近くにあった村。百日戦役を起すための口実作りのために自国の軍隊に襲われ、一方的虐殺ののち壊滅させられた。この惨事を「ハーメルの悲劇」と呼ぶ。事件後は立ち入り禁止区画となり、封印されている。特にエレボニア貴族にはハーメルという地名自体、禁忌として触れられたくない文言のようである。
・カルバード共和国
大陸西部でエレボニア・リベールの東に位置する民主国家。歴史は約100年と比較的浅い。現在の国家元首はサミュエル・ロックスミス大統領。移民を多く受け入れており、東方の移民による独自の文化を持つ「東方人街」というものも存在する。しかし移民を多く受け入れた弊害として治安は良好とは言えず、国内ではテロ事件も多く発生している。
・アルタイル市
カルバード共和国の最西端に位置する港湾都市。大河キュレー川に面し、物流や商業もそれなりに盛ん。クロスベル市からは鉄道で1時間足らずの距離にあるため、アルタイル市とクロスベル市を行き交いする商人なども多い。
近郊の洞窟には《D∴G教団》の拠点の一つであるアルタイルロッジが所在しているが、七耀暦1198年頃に行われた《D∴G教団殲滅作戦》によって壊滅させられ、以降は無人となっている。「碧」においてはこのアルタイルロッジが序章の舞台となる。
・東方人街
カルバード共和国の都市。作中に登場する娯楽小説『賭博師ジャック』の舞台としても登場する。
・クロスベル自治州
大陸西部に位置し、西はエレボニア帝国、東はカルバード共和国に挟まれている。帝国と共和国の領土争いの対象となってきた地域であり、七耀暦1134年に両国共を宗主国とした自治州として成立する。レマン自治州やノーザンブリア自治州が宗主国によって国家と同等の主権を承認されているのに対し、クロスベルは緩衝地帯としての自治権を認められているに過ぎず、成立以来、両国からは事実上の属領として扱われており、委任統治費として両国に税収の10%を上納している。また、自治州法により軍隊を保有することが出来ないため、代わりに「警備隊」を保有している。リベール王国とは接していないが、同国から見て北東に位置する。
中心都市のクロスベル市は大陸有数の貿易・金融都市であり、大陸屈指の銀行であるIBCの本社も所在しているが、裏ではマフィアや犯罪組織が跋扈するなど犯罪都市としての側面も内包し、「魔都クロスベル」と呼ばれている。
・レミフェリア公国
現在の国家元首はアルバート・フォン・バルトロメウス大公。厳しい寒冷な気候。森林と湖に代表される風光明媚な自然を有しており、諸外国からの観光客が多く集まっている。
大陸随一の医療先進国であり、大公家縁のセイランド社をはじめとする大手の医療機器メーカーが数多く存在する。クロスベル自治州にある聖ウルスラ医科大学の設立にも協力している。
経済的にもかなり裕福な国ではあるが、その一方で首都には貧困層の住民の集まるスラム街も存在する。このレミフェリアの下町は、クロスベル自治州で出版された娯楽小説『闇医者グレン』の舞台ともなった。
・公都アーデント
レミフェリア公国の首都。北海に面した歷史ある都。 昔ながらの街並みの古都と、大病院や製藥会社が立ち並ふ近代的な街並みの新市街に大別される。導力化も進んでおり、治安も比較的悪くない。飛行船の発達で海運が廃れたことで港灣区は海浜公園になってあり、觀光名所の《シカの像》がある。
・アルテリア法国
ゼムリア大陸で広く信仰されている七耀教会の総本山である都市国家。大陸中央に位置し、聖地として大陸全土から信徒が訪れる。面積は非常に小さいながらも各省庁などは揃っており、国家としての体裁は整っている。
・ノーザンブリア自治州
北方に位置する州。旧名はノーザンブリア大公国。かつて「塩の杭」と呼ばれる謎の物体が突如国内に出現、それによって領土の大半が塩と化したことで国家としては完全に壊滅し、自治州となる。「北の猟兵」と呼ばれる大きな猟兵団があることで有名。大公国が壊滅した以降は多くの人々が貧困や飢餓に苦しんでいる。「閃Ⅲ」の時点ではエレボニア帝国の属領となっている。
・レマン自治州
大陸中西部に位置する自治州。オーブメント開発の主軸を担うエプスタイン財団や、遊撃士協会の総本部がある。