■閃の軌跡
・エレボニア帝国
本作の舞台。ゼムリア大陸の西部にある《黄金の軍馬》を紋章に掲げる巨大帝国。
大貴族の支配する旧い体制の国家だったが、《鉄血宰相》の異名で知られるギリアス・オズボーンの政策で全土に鉄道網が敷かれ、急速に近代化している。機甲師団の他、領邦軍(大貴族の私設軍)など巨大な軍事力を保持しており、リベール王国への侵攻など、周辺諸国に常に緊張を強いてきた。
2つの勢力が台頭し、国内における緊張が高まりつつあった。
・《貴族派》
「四大名門」と呼ばれる大貴族を中心とし、その莫大な財力によって地方軍を維持し、自分たちの既得権益を守らんとする伝統的な保守勢力。
・《革新派》
平民出身の「鉄血宰相」を中心とし、巨大な帝都や併合した属州からの税収によって軍拡を推し進め、大貴族の既得権益を奪わんとする新興勢力。
両者の立場はどこまでも相容れず、その対立は水面下で深刻化し、皇帝の仲裁も空しく、帝国各地で暗闘が繰り広げられるようになっていた。
・《トールズ士官学院》
帝国に“第三勢力”と成り得る新風を吹き込ませようと思い立って、《Ⅶ組》という貴族と平民との垣根を越えたクラスを設立させた。
オリヴァルト皇子により設立された。その本質は、特別実習という形で帝国内部で起きている問題について目の当たりにする。設立の表向きの理由は、《ARCUS》という新型戦術オーブメントの実用試験を兼ねてです。
そして、《帝国解放戦線》という部隊が動き出し、帝国の内乱が始まります。リィン達Ⅶ組がどう動くのかという形で物語はⅡへ続きます。
■閃の軌跡Ⅱ
「それは、一発の銃声と共に終わりを告げた。」
鉄血宰相≪ギリアス・オズボーン≫の狙撃。《貴族連合》による帝都の占領。
そして出現する巨大飛行戦艦《パンタグリュエル》と、《機甲兵》と呼ばれる人形兵器により、帝国全土を巻き込む内戦が始まった。
圧倒的力で制圧する貴族連合軍。高い練度の兵士と機甲師団で食い下がる帝国正規軍。
そんな中、トールズ士官学院、特科クラス《Ⅶ組》 に属するリィン・シュバルツァーは、山岳地帯で目覚める。
≪神機≫と呼ばれる、《灰の騎神》ヴァリマールの《起動者(ライザー)》という力を使い、内戦を終結、Ⅶ組との合流を目指していく形で物語が始まります。
ⅰでは帝国の世界観や歴史、内情を知り、Ⅱでは内戦が始まり、結社やオズボーンの企みが徐々に明らかになります。もちろんⅦ組メンバーの過去のでごとや素性も明らかになっていきます。
■閃の軌跡Ⅲ
七耀暦1206年、春、あの内戦から1年半近く。
トールズ士官学院・リーヴス第Ⅱ分校。皇太子の入学を受け、本格的な軍事学校へと変革された本校。
“落ちこぼれ”の分校。言わば、捨て石になる為の学院。3つに分かれたクラスの中には、Ⅶ組《特務科》、リィンが担任を務める少人数の特務クラスがあった。
とりあえず、空、零、碧をしてないとほとんど話がわかりません。結社の狙い、オズボーンの思惑がなんとなくわかる感じです。
しかし、わかった頃には終盤ですが。軌跡シリーズを通しての帝国の動き、結社の動きがここに繋がっているように感じました。
■閃の軌跡Ⅳ
黄昏の始まり後、動き出す二つの流れあり。
一つは、大地の竜
七つの頭と顎をもって世界を喰らう鋼のチカラ。
二つは、千の陽炎
巨竜を絡め取り、その首を落とさんとする最善手。
光まとう翼は再び羽ばたけど、巻き起こせる風はあまりに弱々しく心許ない。
聖女の散華後、偽なる塩の杭と終焉の要塞は顕れ、程なくして世界は闇に沈む
それは確定事項であろう。
なれど本書は因果律を記述する位相機関である。
≪アークルージュ≫と≪ロストゼウム≫の激突の果てに生み出されたこの”物語”の破壊的結末は明白ではあるが
見通せぬ地平も存在し、それが”ヒト”と”ヒトたち”の非合理的なゆらぎと共振した時の結果は記述不可能である。
その僅かな可能性を示唆しつつ、ここに初代アルノールに起動されてより千二百六年に及ぶ本書の役割を終了する。
願わくばヒトたちに幸あらん事を。
黒の史書⑬より。
帝国編最終章により帝国を話は≪黒の史書≫によりほぼ内容が書かれていました。
全ては帝国の呪いのというものが大きく関わっており、それを第三の勢力が関わることで太刀打ちする形に進んでいきました。これもオリビエという人物の人脈のおかげで長い長い伏線の回収でした。これにより、表向きは部分は本当に完了したように思えます。クロスベルも独立できました。